目次
1.SAWフィルタ・BAWフィルタとは
SAWフィルタとは、圧電体の薄膜、もしくは基板上に形成された規則性のあるくし形電極により弾性表面波を励振させる構成になっています。
BAWフィルタには、FBAR型(Film Bulk Acoustic Resonator)やSMR(Solid Mounted Resonator)型があります。
FBARとは、共振器の下部に空洞(キャビティ)を設けることで、圧電膜を自由に振動させる構成になっています。
薄膜がスパッタなどにより薄く形成でき、また微細なパターンも不要なので、高周波化が図りやすいです。
SMRとは、共振器の下部に音響多層膜(ミラー層)を設けることで、弾性波を反射させる構成になっています。
BAWフィルタには、FBAR型(Film Bulk Acoustic Resonator)やSMR(Solid Mounted Resonator)型があります。
FBARとは、共振器の下部に空洞(キャビティ)を設けることで、圧電膜を自由に振動させる構成になっています。
薄膜がスパッタなどにより薄く形成でき、また微細なパターンも不要なので、高周波化が図りやすいです。
SMRとは、共振器の下部に音響多層膜(ミラー層)を設けることで、弾性波を反射させる構成になっています。
2.SAWとBAWの使用周波数領域
BAWフィルタは、2GHz以上を使う移動体通信システムには必要不可欠です。
BAWフィルタは、3GHz以上の高い周波帯域でも適用可能です。
800MHz~2GHzまでは、やはりコスト面からSAWフィルタ適しています。
BAWフィルタは、3GHz以上の高い周波帯域でも適用可能です。
800MHz~2GHzまでは、やはりコスト面からSAWフィルタ適しています。
3.TC-SAWフィルタとは
TC(Temperature Compensated)-SAWとは、過密な周波数利用状況下において厳しく周波数を制御し、温度変化時の周波数シフト量が低減するフィルタ技術です。
4.SAW・BAW・TC-SAWフィルタ構成比較表
メリット | デメリット | 性能比較 | |
SAW | ・低コスト | ・放熱性 | |
FBAR | ・薄膜により薄い形成が可能 ・微細なパターンも不要 ⇒高周波化しやすい ・SAWフィルタに対し、微細電極構造をもたずQの高い電極が作れる ⇒より低損失、高耐電力化が可能 |
・プロセスの工程数が多い ・歩留まり ・コスト |
・SAWより低ロス ・SAWより帯域外の高減衰 ・SAWより帯域端の切れがよい |
SMR | ・キャビティ不要 ・Siの薄膜プロセス技術だけで済む |
・音響インピータンスの膜が多い | ・音響多層膜を用いる為、層数に 伴い弾性波の反射時に損失が発生 ・Q値や損失特性が落ちる。 (FBARとの比較) |
TC-SAW | ・温度補償用表面弾性波により温度変化時の周波数シフト量が低減 ・BAWより安価 |
・通常のSAWより、マスク層数が2倍になるので製造コストがアップ | ・SAWより周波数特性がよい |
5.SAW・BAW・TC-SAWフィルタの住み分けイメージ
性能 | コスト | 温度特性 | 対応周波数 | |
SAW | 〇 | ◎ | △ | 低 |
TC SAW | 〇 | 〇 | ◎ | 低 |
BAW | ◎ | △ | ◎ | 高 |
当社では、各周波数に対応したSAW・BAW・TC-SAWフィルタをご提案いたします。
詳しくは、製品ページをご覧ください。