目次
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Bluetoothとは
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BLEの歴史
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BLE Classicとの比較
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IoTにおける活用
昨今のIoTの普及により、BLE活用のニーズが高まっています。これから導入を検討されている方はもちろん、BLEに少しでも関心がある方に向けて、BLEの基本とIoTにおける活用をシリーズでご紹介します。
3. Classicとの比較
・BLEとは
従来のBluetooth技術は消費電力が比較的高く、省電力要件の高いアプリケーションには適していませんでした。
新しい用途や市場に対応するため、BLEは低電力消費を目指して設計されました。そのため、IoTデバイスやセンサーなどの低消費電力デバイスとの親和性が高いことも特徴です。
・ClassicとBLEの違い
消費電力
BLEは低消費電力を実現するために設計されているため、Classicと比較して消費電力が少ないのが最大の特徴です。
BLEの消費電力が少ない理由のひとつとして、アイドル状態での消費電力が少ないことが挙げられます。
Bluetoothはマスターデバイス(セントラル)とスレーブデバイス(ペリフェラル)の間で通信が行われますが、BLEの場合、通信が無い時にはスレーブデバイスがスリープモードに入り、消費電力を抑えます。ちなみに、このスリープモードに入る時間のことを、スレーブレインテンシといいます。
一方、Bluetooth Classicの場合は、常に通信がアクティブなため、消費電力がBLEよりも比較的高くなる傾向にあります。スレーブデバイスがマスターデバイスからの指示を受け取ってからは、待機モードになることはありません。よって、Bluetooth Classicにはスレーブレインテンシがほとんど存在しないということになります。
また、周波数帯域の利用方法も異なります。BLEは周波数ホッピングという通信方法を採用しており、できる限り電波衝突の影響を少なくしています。周波数ホッピングとは、データ送信中に使用する周波数を高速に切り替える方法です。これにより、再送信やエラー処理の頻度が低下し、省電力を実現できます。
一方、Bluetooth Classic は固定された周波数を使用するため、干渉のリスクが高まり、消費電力も高くなります。
転送速度
転送速度を比較すると、BLEの方がBluetooth Classicに対して速度が低い傾向にあります。
BLEの転送速度は通常1Mbps以下で、実際に使われる際には更に低い速度で通信されるのが一般的です。短いデータパケットを使用し、周期的なデータ転送や短い通信を得意とします。
一方で、Classicの転送速度は最大1Mbpsであり、比較的高速なデータ転送が可能です。高速データ転送や、高音質の音声伝達に適していますが、その分消費電力も比較的大きくなります。
通信チャネル
2402 MHzから2480 MHz間の周波数帯域において、Bluetooth Classicは79個、BLEは通常37個のチャンネル数があります。
上記で述べたように、Bluetooth ClassicとBLEでは周波数帯域の利用方法が異なります。Bluetooth Classicは固定された周波数を使用するため、多くのチャンネル数が必要とします。一方、BLEは周波数ホッピングによって干渉を回避できるため、少ないチャンネル数でも効率的な通信が可能です。
接続方法
Bluetooth Classicのデバイスには、マスターデバイス、スレーブデバイスがあり、その間での接続を行います。例えば、携帯電話とワイヤレスイヤフォンの接続を例にするとイメージしやすいかもしれません。この場合、携帯電話がマスター、イヤフォンがスレーブとなります。マスターが同時に接続できるスレーブは最大で7つまでです。
BLEのデバイスは、それぞれセントラル、ペリフェラルの役割を持ちます。
例えば、スマートフォンとスマートウォッチを接続する際には、スマートフォンがセントラル、スマートウォッチがペリフェラルの役割となります。
BLEはBluetooth Classic のように接続ができる一方で、アドバタイジングを行うこともできます。
ペリフェラルデバイスが、無線信号により、マスターに通信があることを知らせることができるのです。セントラルデバイスがそれをスキャンすることで、アドバタイズを受信します。通信を行う必要がないことから、電力の消費を防ぐことができます。
接続できる数は無限とされていますが、実際は使用するデバイスや実装に依存します。
次回は「IoTにおける活用」についてご紹介します。
尚、弊社はBLEモジュールを複数取り扱っております。ご関心のある方はぜひお問い合わせください。