1.はじめに
近年、様々な製品について有線から無線への流れが加速しています。
例えば、5Gや4G、LPWA等の無線規格を使用したイヤホンやマウス、キーボードなどが身近なところで認識できると思います。
また、車の自動運転やドローン輸送などは、今後本格的な運用が始まると言われています。
これらの運用は、5Gや4G、LPWAなどの通信規格を用いて移動体の位置情報を飛ばし、運行管理する必要性があります。
より精度の高い運行を実施するためには、より精度の高い位置情報が必要となり、そのためGNSSの利用は必要不可欠なものとなります。
2.主なGNSSアンテナの構成
一般的なGNSSアンテナの構成を下図に示します。
同軸ケーブルを介し、アンテナ素子とLNAがGNSS機器に接続される構成になります。
ここでは主に、アンテナ素子以外の部分に言及しますが、アンテナ素子を含まない総合利得は、LNA利得と同軸ケーブルの損失を足した値になります。
3.LNAの利得・雑音指数(NF)とC/N値の関係
一般的なGNSSアンテナの構成から得られるLNA利得・NF・C/Nの関係については、下図によって表すことができます。
GNSSの測位精度を上げる重要なパラメータの一つとして、各衛星から得られるC/N(dB)値が高いことが望まれます。
C/N値が高いとは、C(衛星からの信号)が高いこと、N(ノイズレベル)が低いことを意味します。
衛星からの信号レベルを上げるには、アンテナ利得を大きくすることですが、ノイズレベルを低くするには、LNA設計が大きく関わり、トータルのNF値が小さくなるような設計が要求されます。
4.NF計算の実例
この章では、一般的なGNSSアンテナの構成からトータルNF値計算の一例を紹介します。
下図はLNAの位置が、アンテナ直下か同軸ケーブルを介した後かを示した例です。
同じ性能のLNAと同軸ケーブルを使用した場合、両者のトータルNF値は、前章の計算式よりアンテナ直下にLNAを配置した方が小さくなります。
より大きなC/N値を得る場合、LNAの配置場所が重要な要素になることがお分かりいただけると思います。
当社では、GNSSアンテナを多数取り扱っています。
詳しくは、製品ページをご覧ください。